お米の虫、実は買った時点でついている話。正しい保存方法

真夏の昼、米びつを開けたら小さな黒い虫が数匹、米の表面を歩いていた。「ちゃんと蓋を閉めていたのに、どこから入ったんだ」。多くの人がそう思うはずだ。実はその虫、外から侵入したわけではないことがほとんどだ。 料理歴20年以上の現役料理長として、米の保存にまつわる誤解と正しい対処法を整理しておく。 虫が湧く原因 米につく代表的な虫は「コクゾウムシ」という体長3mmほどの小さな虫だ。この虫、実は精米する前 […]

から揚げは二度揚げで決まる。料理長がやっている温度と時間の使い分け

油の温度計が160度を指したところで、鶏肉を一つずつ静かに沈める。パチパチという細かい音が鍋全体に広がり、油の表面に小さな泡が立ち続ける。ここで焦って温度を上げると、衣だけ色づいて中が生になる。じっと2分半、音の変化だけを頼りに待つ。この最初の一投目が、から揚げ全体の出来を決めている。 家庭で「一度でカリッと揚げよう」とする人は多いが、油の温度が一定に保ちにくい家庭のコンロでは、二度揚げのほうが確 […]

そうめんがくっつくのは、茹で方のせいだ

そうめんがくっつくのは、麺が悪いわけでも運が悪いわけでもない。茹で方の手順に原因がある。湯量、混ぜるタイミング、締め方。この3つを押さえれば、くっつきはほぼなくなる。 そうめんは茹で時間がわずか1分半から2分と短い。この短さゆえに、他の麺類以上に手順の丁寧さが仕上がりに直結する。 そうめんがくっつく原因 くっつきの主な原因は3つある。 1つ目は湯量不足だ。そうめんの表面には打ち粉がまぶされていて、 […]

焼き鳥、塩かタレか。火入れで差がつく理由

家庭のグリルで焼いた焼き鳥が、店で食べるものとどこか違うと感じたことはないだろうか。肉の質の差だと思っている人が多いが、実際は串打ちと火加減の違いで説明がつくことがほとんどだ。 今日は串の打ち方から、塩とタレの使い分け、火加減、づけ焼きの技法まで、家庭のグリルやフライパンでも実践できる範囲で整理する。 串打ちのポイント 肉を切るとき、厚みをそろえることが最初の関門になる。厚みがバラバラだと、薄い部 […]

豚肉は脂身で選ぶ。とんかつと生姜焼き、部位を間違えると仕上がりが変わる

新人の頃、生姜焼き用にもも肉を使って先輩に注意されたことがある。「脂がないと生姜焼きは硬くなる」と言われても、当時はピンとこなかった。焼き比べてみて、初めてその意味がわかった。 豚肉は部位によって脂の量がまったく違う。同じ「豚肉」という名前でも、選ぶ部位を間違えると、レシピ通りに作っても仕上がりが変わってしまう。部位ごとの特徴を整理しておく。 主要部位の特徴 バラ肉 脂身と赤身が層になっている部位 […]

鶏もも・むね・ささみ、どう使い分ける?料理長が教える鶏肉の部位

むね肉がパサつくのは、部位のせいだろうか、それとも焼く人の腕のせいだろうか。 「むね肉は安いけどパサつくから苦手」という声をよく聞くが、これは半分正解で半分誤解だ。むね肉は確かに脂が少なくパサつきやすい性質を持っている。ただしその性質を理解した上で調理すれば、しっとり仕上げることは十分できる。料理歴20年以上の現役料理長として、鶏肉の部位ごとの特徴と使い分けを整理しておく。 主要部位の特徴 もも肉 […]

ステーキは焼く前に9割決まる。料理長の火入れの手順

厨房でステーキを仕込むとき、肉をまな板の上に並べてから実際に焼き始めるまで、20分近く待つことがある。何もしていないように見えるかもしれないが、この時間こそが仕上がりを左右している。冷蔵庫から出したばかりの肉をそのまま焼く新人がいると、まず手を止めさせる。 料理歴20年以上の現役料理長として断言する。ステーキは焼いている間よりも、焼く前の準備で9割が決まる。 焼く前の準備が最重要 常温に戻す時間 […]

おにぎりが固くなる人へ。料理長が教える崩れないのに柔らかい握り方

おにぎりは握れば握るほど不味くなる。これは冗談でも比喩でもない、単純な物理現象だ。 崩れるのが怖くて力いっぱい握った結果、米粒がひしゃげて団子のように硬く締まったおにぎりを食べたことは誰にでもあるはずだ。あれは失敗ではなく、力の入れすぎという原因がはっきりしている現象になる。料理歴20年以上の現役料理長として、崩れないのに柔らかいおにぎりの握り方を分解して説明する。 力加減の正解 米粒の中には、炊 […]

新米はいつまで「新米」なのか。料理長が教える銘柄米の選び方

スーパーの米売り場で「新米」というポップを一年中見かけないだろうか。9月に見た「新米」と、翌年の6月に見た「新米」、両方とも同じ意味で使われているとしたら、それはおかしい。「新米」という表示がいつまで有効なのか、正確に説明できる人は意外と少ない。 料理歴20年以上の現役料理長として、まずこの表示のルールから整理しておく。 新米の定義 「新米」という表示には、食品表示法に基づいたルールがある。その年 […]

冷凍ご飯がパサつく人へ。炊きたての味を保つ冷凍の技術

修行時代、まかない用のご飯は一升(10合)単位で炊いていた。食べきれない分は当然余る。先輩に「冷凍しとけ」と言われるがまま、炊きたてを大きなタッパーにドサッと詰めて冷凍庫に突っ込んでいた。数日後にレンジで温めて食べると、粒がベタついて硬い部分と柔らかい部分が入り混じった、なんとも言えない食感になっていた。あのときはまだ、冷凍のやり方が悪いとは気づいていなかった。 料理歴20年以上の現役料理長として […]