最初にもらった給料は、手取りで10万円くらいだった。
修行はホテルから始まった。その後、個人店に移った。
20年以上働いてきて分かったのは、ホテルは勤めた年数で、個人店は立場で給料が決まるということだ。
ホテルでは、勤めた年数に合わせて毎年2,000〜3,000円ずつ上がった
ホテルの給料は、勤務期間に連動して上がっていく。毎年2,000円から3,000円くらいずつ、少しずつ上がった。
ホテルには9年勤めた。給料が安かった頃は、質素な生活だった。
当時はホテルの経営状態が悪く、ボーナスが出ないことも、残業代が出ないことも多々あった。ここは時代によって変わってくると思う。
結婚したのは、もう少し後だ。ある程度給料をもらうようになってからで、妻も働いていた。
給料を上げるために店を移り、手取りが2〜3万円上がった
給料が上がるということで、店を移った。移った先では、手取りで2万円から3万円ほど上がった。
ホテルで毎年少しずつ上がっていたのとは、上がり方の幅が違った。
料理長メモ:厚生労働省「雇用動向調査」(令和7年)によると、転職して賃金が増えた人は40.8%だった。変わらない人は25.5%、減った人は31.0%だ。私は上がったが、移れば必ず上がるわけではない。
個人店では、立場と給料はほぼ同じだ
個人店の給料は、ポジションで決まる。立場と給料はほぼ同じで、ここが結構大切だと思っている。
給料以外で上がったと感じたのは、立場くらいだ。逆に言えば、立場が変わらないうちは、給料も大きくは動かない。
料理長メモ:同じ賃金構造基本統計調査(令和7年)で、宿泊業・飲食サービス業の役職なしは260,700円、係長級は345,600円。料理人だけでなく業界全体の数字で、料理長の役職別統計はない。
料理長は18年目くらい。それでも驚くほどは上がらない
二番手になったのは12〜13年目くらい、料理長になったのは18年目くらいだ。
料理長になって、給料も少しは上がった。ただ、驚くほどの金額ではなかった。立場が一つ上がったからといって、給料が跳ね上がるわけではない。
統計でも、経験15年以上の月給は29万円台だ
自分の実感だけでなく、統計も見ておく。使うのは厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)だ。料理人は「飲食物調理従事者」という職種名で集計されている。
| 区分 | 所定内給与額(月額) |
|---|---|
| 飲食物調理従事者(全体) | 262,000円 |
| 経験0年 | 231,300円 |
| 経験5〜9年 | 246,200円 |
| 経験15年以上 | 297,100円 |
| 全産業平均 | 340,600円 |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 277,200円 |
| 宿泊業(ホテル・旅館など) | 281,800円(年間賞与462,900円) |
| 飲食店 | 282,800円(年間賞与377,400円) |
どれも税金や社会保険料を引く前の額面で、手取りではない。また、従業員10人以上の事業所で働くフルタイムの人が対象だ。
平均年齢は44.9歳。経験0年と15年以上の差は、月6万6千円ほどだ。「宿泊業,飲食サービス業」は、全産業の中で最も低い。
統計ではホテル・旅館の賞与のほうが多い。ただ、私がいた当時のホテルは出ない年も多かった。勤め先と時代で、ここは大きく変わる。
引っ張り上げてもらえるのは、淡々とやる人だ
給料が上がるかどうかは、仕事ができるかどうかだと思う。
若いうちから淡々と仕事をしている人は、上からちゃんと引っ張り上げてもらえる。あとは人間性だ。
私自身、当時の料理長からよく可愛がられていた。先輩を飛び越して、ポジションが上になったこともある。
若い頃に意識していたのは、仕事を真面目にやることだった。
給料を上げたいなら、どれだけ店に貢献するか
給料を上げたいなら、店にどれだけ貢献できるかだ。勤務態度もそこに入る。
あとは、上司に気に入られるかどうかだ。
料理人を続けるかどうかの話は料理人はやめとけ。それでも私が20年辞めなかった理由に書いた。資格の話は調理師免許は必要かにまとめている。
料理歴20年以上の現役料理長。和食・肉料理の現場で培った知識を、家庭で活かせる形で発信しています。調味料の使い分けから包丁の選び方まで、プロの本音で解説するブログ「料理長まっくるの和食帳」を運営中。