今年も中国産の松茸が入りはじめた。仕入れ値を見るたび、正直高すぎると思う。
国産はキロ4〜5万円。外国産は2万円を切る
松茸は毎年、国産と輸入の両方を仕入れている。使い分けというより、その年ごとの相場を見て決めている。
例年の相場でいうと、国産はキロ4万円から5万円くらい。外国産はキロ2万円を切るくらいだ。
国産は安いものが仕入れられるようなら、迷わず買う。
国産と輸入、どちらを使うかは、お客さんの予算によって決めている。割安で国産が手に入ったときは、特別なお客さんに出すようにしている。
店で松茸を使う料理は、土瓶蒸し、吸い物、焼き松茸、松茸ご飯、煮物と幅広い。
高いのは、採れなくなったからだ
松茸が高い理由は、単純に採れなくなったからだ。
農林水産省の特用林産物生産統計調査によると、生産量のピークは1941年の1万2000トン。それが1960年には約3500トンまで落ち、2019年にはわずか14トンになった。
2024年は45トンまで持ち直している。林野庁の発表では51トンとしていて、数字に若干の差がある。
林野庁は、松茸がアカマツなどと共生する菌根性のきのこで、実用的な人工栽培の技術がないと説明している。畑で増やせるきのことは、そもそも成り立ちが違う。
栽培できないものが、統計の示すとおりここまで減り続けている。値段が上がるのは、自然な流れだ。
農林水産省の統計をもとにした報道では、国産の小売価格は100gあたり5000円から1万円、輸入品は100gあたり1000円から3000円。輸入の6割を超える量を、中国産が占めている。
8月に入るのは中国産だ
店では毎年8月に入ると、中国産の松茸が並び始める。
終わる時期は年によってまちまちだが、11月初旬あたりで一区切りになる印象がある。
それでも高すぎると思う。値付けに困るからだ
松茸が高いことは、今さら誰もが知っている。それでも、仕入れ値そのものが高すぎると感じる年がある。
高く仕入れた分は、販売価格に乗せなければ商売として成り立たない。原価を割ってまで出すわけにはいかない。
ただ、乗せすぎれば誰も頼まなくなる。値段を見た瞬間に、注文が遠のいてしまう。
だから、出せる価格には限度がある。程々の価格までしか、実際には出せない。
これは買う側として高いという話ではない。売る側として、値付けに困るという話だ。
代わりになるものはある。それでも松茸は唯一無二だ
松茸の代わりとして、松きのこというものもある。
それでも、松茸は唯一無二だと感じている。特に国産は、ほかに代えがきかない。
高すぎると感じる気持ちと、唯一無二だと感じる気持ちは、どちらも本音だ。矛盾しているようで、両方ある。
代わりが利かないものだから、値段の折り合いをつけてでも扱っている。
松茸フライは、焼き松茸のようにやせ細らない
松茸フライは、文字通りパン粉をつけて揚げる一品だ。食べ方は、塩がベストだと思っている。
香りはしっかり残るし、歯応えもいい。揚げても、そのあたりは損なわれない。
焼き松茸だと、仕上がりがやせ細ってしまうことがある。松茸フライは、そうならない。
その分、おすすめの食べ方だと思っている。
選ぶときは、虫食いと傘の開き具合を見る
松茸を選ぶときに見ているのは、傷んでいないかどうか。虫が食っていないかを確かめる。
それから、傘が開きすぎていないか。開きすぎたものより、締まったもののほうが状態はいい。
見るところは、突き詰めればこの二つだ。
ちょっと贅沢するのは、あり
松茸は、毎日食べるものではない。値段を思えば、なおさらそうだ。だからこそ、ちょっと贅沢するのはありだと感じる。
旬の食材を味わうことは、それだけで幸福感が上がる気がする。
買っても買わなくても、それぞれの判断だ。値段を見て諦めるのも、一つの選択になる。
無理をして毎回買うようなものではない。年に一度、気が向いたときに手を伸ばす。そのくらいの距離感でいい。
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