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昆布は前日の夜から水につけておく。鰹節を入れてからは早い。そして絞らない。これが私の出汁だ。
水1リットルに昆布10g、鰹節20g
分量は、水1リットルに対して昆布10g、鰹節20gだ。水は、浄水器を通したものを使っている。
これが私がいつも使っている割合になる。二番だしは取らないので、一番だしの濃さでほとんどの味を決めることになる。
使っているのは利尻昆布と、本枯節の削り
私が使っているのは利尻昆布だ。産地は北海道の利尻島と礼文島になる。
昆布の業界団体である日本昆布協会は、利尻昆布について「澄んだ上品なだしがとれる。黒っぽく塩気がある」と説明している。
産地にあたる利尻町も「澄んだ上品なだしで、雑味が少ない」と説明している。
鰹節は本枯節を使う。ただし自分では削らない。削ってあるものを使っている。
鰹節メーカーのにんべんによると、本枯節はカビ付けと天日干しを4回以上繰り返して作られる。カビ付けをしない荒節は完成までおよそ1か月だが、本枯節はそこからさらに3〜6か月かかるという。
燻した匂いが弱く上品な風味で、うまみ成分のイノシン酸の量も荒節より多いと、にんべんは説明している。
店で取るのは一番だしだけだ。二番だしは、今の店では取っていない。
料理長メモ:鰹節は自分で削っていない。削ってあるものを使っている。プロは全部自分で削っていると思われがちだが、そうとは限らない。正直に書いておく。
昆布は10時間ほど水につける
昆布は前日の夜から水につけておく。時間にすると10時間ほどだ。夜の営業がすべて終わったあとに、水につける。
日本昆布協会は、水出しについて「水1リットルに昆布10〜15g、冷蔵庫で3時間から一晩」と説明している。私が使っている分量と時間は、この範囲にちょうど収まっている。
引くのは正午。一度に5リットル
出汁を引くのは、だいたい正午ごろになる。昼の営業に間に合わせる必要があるため、この時間になる。
一度に引く量は5リットルだ。この量で、その日一日の営業に必要な出汁をまかなっている。
沸騰する前に昆布を引き上げる
火にかけたら、沸騰する前に昆布を取り出す。ここで昆布を煮すぎると、狙った味にならない気がする。
沸騰してきたら、鰹節を入れる番だ。
鰹節を入れてからは、スピードで決まる
鰹節を入れたら、そこからは早い。弱火にして、軽くアクを取る。もたもたしない。
アクは全部取らない。強いところだけ取ったら、すぐにこす。アクは基本、長く出続けるものだ。だから最初の部分だけを取る。
家庭でありがちな失敗は、実はここだと思う。鰹節を入れてからのスピード感が、家庭では抜けやすい。
こすのはネル。そして絞らない
こすときに使うのは、ネルの漉し布だ。軽くアクを取ったら、これでこす。使ったあとは洗って繰り返し使う。
家庭でネルを持っている人は少ない。キッチンペーパーで代用できる。
こしたあとは絞らない。ヤマキは「かつお節を絞るとえぐみが出るので絞らない」と説明している。にんべんも「絞るとえぐみが出るため、菜箸で軽く押さえる程度にする」と説明している。
ただ、なぜえぐみが出るのかまでは、はっきりした説明が見当たらない。ここでは理由に踏み込まず、メーカーがそう説明しているという事実だけを書いておく。
昆布のだしがらは、たまに佃煮にする
二番だしは取らないので、使い終わった昆布は、そのあとの行き先が決まっている。
そのまま捨てることも多いが、たまに佃煮にすることがある。
冷凍なら2〜3週間。冷蔵は早めに使い切る
だしメーカーのマルトモは、だしの冷凍保存の目安を「2〜3週間」と説明している。
冷蔵については、はっきりした日数の目安が見当たらない。早めに使い切るほうが無難だ。
いい出汁かどうかは、色も香りも味も全部見る
出汁の良し悪しは、一つだけでは判断しない。色、香り、味。全部見て決める。
基準はバランスが良いことだ。
雑味と濁りは出る。原因は正直わからない
失敗した出汁は、雑味があったり、濁っていたりする。
その原因を聞かれると、正直わからないと答えるしかない。沸騰させすぎたから、絞ったから、昆布を煮すぎたから。そういう説明は、私の中では一つに絞れない。
長年やっていても、わからないことはわからないと言うしかないと思う。
家庭は、ここまでやらなくていい
ここまで読んで、うんざりした人もいるかもしれない。数字も道具も細かく書いたが、正直、家庭ではここまでこだわらなくていい。
毎日出汁を取るために、こんな手順を守っていたら、料理が嫌いになりそうだ。
やりたい日に、やりたいようにやればいい。それで十分だ。
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料理歴20年以上の現役料理長。和食・肉料理の現場で培った知識を、家庭で活かせる形で発信しています。調味料の使い分けから包丁の選び方まで、プロの本音で解説するブログ「料理長まっくるの和食帳」を運営中。