記事内に広告が含まれています
だし活は、毎日やらなくていい。それが結論だ。店で毎日だしを引く私も、家では引かない。
だし活とは何か
だし活という言葉を広めたのはヤマキだ。ヤマキは2019年10月に「だし活プロジェクト」という活動を始めている。
提唱者や、統一された定義があるのかを調べたが、公的な資料は見つからなかった。言葉が先に広がって、中身は人それぞれ、というのが実情だと思う。
だから「だし活」という言葉に振り回される必要はない。何をどこまでやるかは、自分で決めていい話だ。
店では毎日引く。でも家では引かない
店では毎日、昆布と鰹節から一番だしを5リットル引いている。これは仕込みの基本で、外すわけにはいかない。
ただ、家では引いていない。正直に言うと、これが現実だ。
家で使っているのは、顆粒だしとだしパック。その日によって変わる。
出汁を引くと1杯58〜78円、顆粒だしなら約3円
出汁を引くのにどれくらいコストがかかるか、計算してみた。
昆布100gは、総務省統計局の小売物価統計調査で全国平均1,059円。にんべんの糸削り20gは、希望小売価格284円。ここから味噌汁一杯分に換算すると、およそ58〜78円になる。
一方、顆粒だしなら、味の素の「ほんだし」300g・実売972円から計算して、一杯あたり約3.2円で済む。
その差は20倍前後。しかも出汁を引くほうは、鍋を火にかけて漉す手間もかかる。
※価格は実売価格の目安で、メーカー公式の定価ではないものを含む。
家庭でここまでやる必要があるかと聞かれたら、私は「ない」と答える。
家庭は顆粒だしでいい。こだわるならだしパック
家庭には、顆粒だしを勧める。簡単で、コスパもいい。
味にこだわりたい人は、だしパックがいいと思う。久原本家は「茅乃舎だし」について、沸騰後2〜3分煮出す使い方を説明している。味の素は「ほんだし」について、水に溶けやすいので混ぜ合わせるだけと説明している。
無理に出汁を引く必要はない。時間がない人や、金銭的に余裕のない人は、なおさらだ。意識する余裕がある人だけ、引けばいい。
家庭の台所は、店の厨房とは条件が違う。仕込みの時間も、道具も、そこにかけられるお金も違う。同じことを求めるのは、そもそも無理があると思う。
どちらにも塩は入っている
顆粒だしにも、だしパックにも、塩は入っている。
味の素は、「ほんだし」の食塩相当量を一杯分(1g)あたり0.40gと説明している。「お塩控えめのほんだし」は0.14g。
だしパックも同じだ。久原本家は「茅乃舎だし」1袋(8g)あたり1.06g、にんべんは「薫る味だし」1袋あたり1.1gと説明している。にんべんには、無調味のだしパックもある。
どちらが良い悪いという話ではない。どちらにも塩は入っている、という事実だけを並べておく。
引くのは「ちょっと意識したい日」でいい
引くとしたら、「ちょっと意識したい日」でいいと思う。
健康を気にしている日でもいいし、お客さんが家に来る日でもいい。一番わかりやすいのは、自分がちょっと乗り気になっているとき。そういう日に引けばいい。
毎日やる必要はない。気が向いた日にやる。それくらいの距離感でちょうどいい気がする。
昆布水は、こだわって作りたい日に向いている
昆布水はやってもいいと思う。
日本昆布協会は、だし昆布20gと水1.5Lを目安に、3時間以上、できれば一晩、冷蔵庫で漬ける方法を説明している。保存は冷蔵で1週間程度が目安。夏場は早めに使い切ったほうがいい。
精進料理風の食事を作るときや、料理をこだわって作るときには向いている。火を使わないぶん、気軽に試せる。
料理長メモ:店では毎日5リットルの出汁を引いている。それなのに、家では引いていない。これを恥ずかしいと思ったことはない。仕事の現場と、自分の台所は、別のものだと思っている。
料理は、美味しかったらいい
料理は、美味しかったらいい。楽しく作るのが、家庭で作る醍醐味だと思う。
出汁を引く日があってもいいし、顆粒だしで済ませる日があってもいい。どちらが正しいという話ではない。
出汁を引く人を否定するつもりもないし、引かない人を否定するつもりもない。それぞれの台所に、それぞれのやり方があるだけだと思う。
だし活は、毎日やらなくていい。私の家も、顆粒だしとだしパックで回っている。やりたい日に、やりたいようにやればいい。
※上記は楽天市場・Yahoo!ショッピングのアフィリエイトリンクです。
あわせて読みたい出汁の記事
- 出汁の取り方|昆布は一晩水につけ、鰹節は絞らない
- 味噌汁の出汁|一番だしに、いりこを7〜8匹足す
- 茶碗蒸しの出汁の黄金比
- 二番だしの取り方と使い道
- 昆布だしと鰹だしの違い|料理長は合わせだししか引かない
料理歴20年以上の現役料理長。和食・肉料理の現場で培った知識を、家庭で活かせる形で発信しています。調味料の使い分けから包丁の選び方まで、プロの本音で解説するブログ「料理長まっくるの和食帳」を運営中。