一番だしを取ったあと、昆布とかつお節をそのまま捨てていませんか?
もったいないです。正直に言います。そのかつお節と昆布、まだ旨みが残っています。
料理歴20年以上の現役料理長が、二番だしの取り方・使い道・一番だしとの違いを徹底解説します。二番だしを使いこなすだけで、料理の幅が一気に広がります。
二番だしとは何か
二番だし(にばんだし)とは、一番だしを取ったあとの昆布とかつお節を再び煮出して取る出汁のことです。
一番だしが「上品でデリケートな旨み」を持つのに対し、二番だしは「力強くコクのある旨み」が特徴です。一番だしとは別の個性があり、用途が違います。
料理長として20年やってきて思うのは、二番だしを使いこなせる人は料理が上手いということ。素材を無駄にせず、使い切る。これがプロの発想です。
一番だしと二番だしの違い
| 比較項目 | 一番だし | 二番だし |
|---|---|---|
| 味わい | 上品・繊細・澄んだ旨み | 濃厚・コクがある・力強い |
| 色 | 淡い黄金色 | やや濃いめ |
| 香り | かつおの香りが豊か | 落ち着いた香り |
| 向いている料理 | 椀物・茶碗蒸し・湯豆腐 | 煮物・みそ汁・炊き込みご飯 |
| コスト | 素材をそのまま使う | 一番だしの残りを再利用 |
一番だしが「素材の繊細な旨みを引き出す」なら、二番だしは「素材の旨みを余すことなく使い切る」イメージです。どちらが上ということはなく、料理によって使い分けるのが正解です。
二番だしの取り方
材料
- 一番だしを取ったあとの昆布とかつお節(そのまま使う)
- 水:600〜700ml(一番だしで使った水量の7割程度)
- 追いかつお:5〜10g(あれば)
手順
①鍋に水と昆布・かつお節を入れる
一番だしを取ったあとの昆布とかつお節をそのまま鍋に入れます。捨てずにとっておいてください。
②中火で加熱する
中火にかけ、沸騰させます。一番だしと違い、二番だしは沸騰させてしっかり煮出すのがポイントです。
③弱火で10〜15分煮出す
沸騰したら弱火にして10〜15分煮出します。一番だしよりも時間をかけてじっくり旨みを引き出します。
④追いかつおを入れる(あれば)
火を止める直前に新しいかつお節を少量加えます。これを「追いかつお」と言い、香りが増して二番だしの質が上がります。なければ省いてもOKです。
⑤こす
キッチンペーパーでこします。二番だしはしっかり絞ってもOKです(一番だしは絞りませんが、二番だしは絞って旨みを全部出し切ります)。
取り方のポイント比較
| ポイント | 一番だし | 二番だし |
|---|---|---|
| 加熱方法 | 弱火・沸騰させない | 中火→弱火・しっかり沸騰させる |
| 煮出し時間 | 短い(1〜2分) | 長い(10〜15分) |
| こすときに絞る | 絞らない | 絞ってOK |
| 追いかつお | 不要 | あれば香りアップ |
二番だしの使い道
二番だしはコクと力強い旨みがあるので、味がしっかりした料理に向いています。
① 煮物(最も得意な料理)
肉じゃが・筑前煮・大根の煮物・ひじきの煮物など、家庭の定番煮物に最適です。一番だしの繊細さよりも、煮物には二番だしのコクが合います。料理長として言わせてもらうと、煮物に使うだしは二番だしで十分です。
② 味噌汁
毎日の味噌汁に使うのに最適です。二番だしのコクが味噌と相性よく、しっかりした味わいになります。わざわざ一番だしを使わなくても、味噌汁には二番だしで十分美味しくできます。
③ 炊き込みご飯
炊き込みご飯の炊き汁に二番だしを使うと、旨みが米全体に染み込んで深い味わいになります。鶏肉・ごぼう・にんじん・しめじなどとの相性が抜群です。
④ うどん・そばのつゆ
二番だしのコクはうどんやそばのつゆのベースにも使えます。醤油・みりんと合わせてつゆを作ると、しっかりした味のつゆができます。
⑤ 茶碗蒸し(家庭用)
料亭では茶碗蒸しに一番だしを使いますが、家庭であれば二番だしでも十分美味しく作れます。コストを抑えながら本格的な茶碗蒸しを作りたい方におすすめです。
⑥ だし巻き卵
卵に二番だしを加えてだし巻き卵を作ると、旨みが増して格段に美味しくなります。弁当のおかずにも最適です。
二番だしを無駄なく使い切るコツ
使いまわしのサイクルを作る
一番だし(椀物・茶碗蒸し)→二番だし(煮物・味噌汁)という流れを習慣にすると、昆布とかつお節を最後まで使い切れます。
冷凍保存で便利に使う
二番だしは製氷皿に入れて冷凍しておくと、使いたい分だけ取り出せて便利です。冷凍で2週間程度保存できます。忙しい日の煮物や味噌汁にすぐ使えます。
だしがらも捨てない
二番だしを取り終わったあとの昆布とかつお節(だしがら)も捨てないでください。細かく切って醤油・みりん・砂糖で炒め煮にすると「だしがらのつくだ煮」が作れます。ご飯のお供に最高です。
よくある質問
Q. 二番だしはいつまでに使えばいい?
A. 冷蔵保存で2〜3日以内に使い切ってください。冷凍なら2週間程度保存できます。
Q. 一番だしを取らずに最初から二番だしの取り方で取ってもいい?
A. 出汁としては取れますが、一番だしの繊細な旨みは出ません。二番だしはあくまで一番だしの「続き」として取るもので、最初から代用はできません。
Q. かつお節だけで二番だしは取れる?
A. 取れますが、昆布も一緒に入れた方が旨みが深くなります。一番だしで使った昆布はそのまま鍋に入れてください。
Q. 二番だしの色が濃くなるのは正常?
A. 正常です。一番だしより煮出し時間が長いので色が濃くなります。味も濃いめになるので、料理の際は水で薄めて調整してください。
まとめ
二番だしのポイントをまとめます。
- 一番だしの残りの昆布とかつお節で取れる「もう一本の出汁」
- 一番だしよりコクが強く力強い旨みが特徴
- 煮物・味噌汁・炊き込みご飯・うどんつゆと相性◎
- 絞ってしっかり旨みを出し切るのが二番だしのルール
- だしがらはつくだ煮にして最後まで使い切る
一番だしを取ったらそのまま捨てない。二番だしまで取ることで、素材を最後まで使い切れます。コストも下がり、料理の幅も広がる。一石二鳥です。
出汁の基本的な取り方については「プロの料理長が教える出汁の取り方完全ガイド」もあわせて読んでみてください。
料理長まっくるの和食帳では、現役料理長の視点から肉料理・和食の知識を発信しています。
料理長おすすめ|二番だしに使う食材
追いかつおに使う花かつお節。品質が出汁の香りに直結します。
👉 にんべん 花かつお 鰹荒節 50g×4個(Amazon)
追いかつおにも使える。1699年創業のかつお節専門店の定番品。
👉 久原本家 茅乃舎だし 8g×30袋入(Amazon)
二番だしを取る手間が省けるだしパック。平日使いにおすすめ。