炊き込みご飯がべちゃつくのは、醤油のせいだと思っていないだろうか。原因は水の量だ。
べちゃつく原因は醤油ではなく、水の量だ
炊き込みご飯がべちゃっとなると、醤油のせいにされることが多い。「醤油を入れると米が硬くなる」という話を聞いたことがある人もいるはずだ。
ただ、その仕組みをはっきり説明したものは見当たらない。そう言われていることは知っているが、私自身は正直あまり気にしたことがない。
べちゃつきの正体は、単純に水分の量が多すぎることだと思う。醤油や出汁も、炊飯においては立派な水分だ。そこを見落として水を足すと、炊き上がりは重くなる。
醤油も出汁も「水」として数える
白米を炊くとき、水位線に合わせて水を入れるのは誰でもやっている。炊き込みご飯でも考え方は同じだ。
パナソニックの公式FAQでは、白米と同じ水位線に、調味料を含めた総液体量を合わせるよう説明している。「水を減らす」という発想ではない。
つまり、いつもの水に醤油や出汁を足すのではなく、醤油や出汁を含めた合計を、いつもの水の量に合わせるということだ。ここを逆にすると、液体量が増えすぎる。
私が店で使う合わせだしも、この考え方に沿っている。出汁を「追加」ではなく、水の代わりとして扱う感覚だ。
芯が残るのは、洗ったときの吸水が足りていないからだ
芯が残る失敗は、水加減より前の段階で起きていることが多い。米を洗ったあとの吸水だ。
浸水は水だけで行い、調味料は炊く直前に加えるという説明は、複数の情報源で一致している。先に味をつけると、吸水がうまく進まないと言われているからだ。
吸水が足りないまま炊き込むと、水分は入っているのに芯が残るという妙な状態になる。急いでいるときほど、ここを飛ばしがちだと思う。
味が薄いのは、具が吸う味を見込んでいないからだ
水加減が合っていても、味が薄いと感じることがある。原因は具にある場合が多い。
きのこや根菜は、思っている以上に味を吸う。具そのものへの想像が足りないと、出汁の味が具に取られて、全体がぼやけた印象になる。
醤油を足す前に、具の量と種類を疑ってほしい。私も、具によって出汁の量を変えている。
具は最初から入れて、蒸らしは必ずする
私のやり方はシンプルだ。吸水させた米に、具と合わせだしを入れて、すぐ炊く。
具は最初から一緒に入れる。なお、メーカーや米屋の説明では、具は混ぜずに米の上に載せるとされていることが多い。
炊き上がったあとの蒸らしは、必ず行う。ここを省略すると、水分にムラが残りやすい。
最後は勘になる。それでいい
ここまで理屈を並べておいて言うのも変だが、私自身の水加減はほぼ勘だ。
具によって出る水分の量が違う以上、決まった数字はないと思う。筍のように水分を含む具と、乾いた具では、必要な出汁の量が変わってくる。
数字で覚えるより、具ごとに感覚を積み重ねていくほうが、結局は近道だ。何度か作るうちに、自分の勘ができてくる。
料理長メモ:店で出しているのは、厳密には炊き込みご飯ではなく、混ぜご飯に近いものだ。具を炊き込むというより、炊いたご飯に具を合わせる形に近い。自宅ではもう少し季節を意識していて、筍が出る時期には筍ご飯を炊く。店とやり方を大きく変えているわけではない。
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