栗ご飯の味は出汁17、みりん1、薄口醤油1で決まる。水は白米より気持ち多め。皮むきに、そこまで神経を使わなくていい。
以前、炊き込みご飯の水加減について書いた。べちゃつく原因は醤油ではなく水の量、という話だった。今日はその続きで、栗ご飯に絞って書く。
味は出汁17・みりん1・薄口醤油1
味付けは、みりんと薄口醤油だけ。比率は出汁17、みりん1、薄口醤油1と決めている。
ここでいう17対1対1は、調味液そのものの比率だ。米と水の比率ではない。混同すると、仕上がりがぶれる。
水は白米より少し多め。醤油が入ると硬く仕上がるから
水加減は、白米を炊くときより気持ち多めにしている。
理由は二つある。醤油が入ることで、白米より硬く仕上がりやすいこと。もう一つは、店では栗だけでなく他の具材も一緒に炊くことだ。
キッコーマンの公式レシピでは、むき栗を加える場合、2合の目盛りまで水を入れてから大さじ1減らすと説明している。私の感覚とは逆だ。
ただ、前提が違うと思う。栗だけを炊くのか、ごぼうや人参も一緒に炊くのかで、必要な水の量は変わってくる。多い少ないの正解は、具材次第だ。
もち米は入れない。香りが苦手だから
私はもち米を入れない。白米だけで炊く。
理由は単純で、もち米特有の香りが、個人的に得意ではないからだ。
もち米を入れれば、食感はもっちりと変わる。そこは認める。それでも、あの香りと引き換えにするほどではない。
味の素パークの公式レシピには、もち米を使う栗ご飯が載っている。もち米を混ぜるほうが、一般的な作り方だ。私が入れないのは、あくまで個人の好みによる判断になる。
皮は薄刃包丁でむく。ただし家庭はそこまでしなくていい
店で栗ご飯を仕込むときは、薄刃包丁で皮をむく。身ができるだけ減らないよう、気をつけながら刃を入れている。
農林水産省の広報誌では、栗の鬼皮を熱湯に10分ほど浸けてから、おしり側から頭に向けて切り込みを入れ、手でむく方法を紹介している。渋皮は、鬼皮をむいた栗を沸騰した湯で1〜2分茹で、冷めてからむくとしている。
包丁を使うか、湯を使って手でむくか。店と家庭とでは、目的がそもそも違う気がする。
店では、身の形をできるだけきれいに残したい。だから包丁を使っている。
家庭でご飯に炊き込むだけなら、形の美しさはそこまで求められない。剥いて、炊く。それでいい。道具にこだわる必要は、ない。
水に漬けて、浮いてきたものは使わない
下処理は、栗を水に漬けるところから始める。
浮いてきたものは、悪いものが多い。あまり使わない。
浮いてくるのは、中に空洞があるからだ。空気の量が多いぶん、水に浮いてくる。
空洞ができる理由は、いくつか考えられる。鬼皮と渋皮の間に隙間があるもの。成熟しきっていない栗だ。
虫が入っているか、食っているもの。それから、中身が何らかの理由で割れていて、そこに空洞ができているもの。割れて傷んでいる状態だ。
どれにしても、いい栗ではない。だから浮いたものは使わない。
買うときに見るのは、虫が食っていないかどうかだ。
店では栗だけでなく、ごぼうや人参も入れる
店の栗ご飯には、栗だけを入れているわけではない。ごぼうや人参など、そのとき栗ご飯に合う食材を一緒に炊く。
具材が増えれば、水加減も変わる。水は気持ち多め、と先に書いたのは、この前提のうえに立っている。
料理長メモ:店で栗を使う料理は、栗ご飯だけではない。栗煎餅と甘露煮も作っている。栗煎餅は、皮を剥いた栗を薄くスライスして、低温の油でじっくり揚げていく。最後に軽く塩を振る。
剥いて、炊くだけでいい
栗ご飯は、比率さえ決めてしまえば難しくない。出汁17、みりん1、薄口醤油1。水は気持ち多め。もち米は入れない。
皮むきも、身構える必要はない。剥いて、炊く。それだけでいい。
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