レンジでチンした鰻が固いのは、手順のせいだ

通販で取り寄せた鰻の蒲焼きを、電子レンジでそのまま温めて、身が固くパサついてがっかりした経験はないだろうか。皮の部分がゴムのように弾力だけ残って、脂の旨みが感じられない。あの仕上がりは鰻そのものの品質の問題ではなく、温め方の手順に原因があることがほとんどだ。

今日は真空パックの鰻を、お店で出てくる状態に近づけるための温め直しの手順を書いていく。

レンジ加熱が失敗しやすい理由

電子レンジのマイクロ波は、食材内部の水分に直接作用して発熱させる仕組みになっている。鰻の身は脂と水分を多く含んでいるが、電子レンジで一気に加熱すると、この水分が急速に蒸発して外に逃げてしまう。結果として身がパサつき、皮の部分だけコラーゲンが縮んでゴムのような弾力になる。

加熱時間を短くしても、根本的な仕組みは変わらない。マイクロ波による加熱は水分を飛ばしながら温度を上げる性質があるため、鰻のようにふっくらとした食感を活かしたい食材には、そもそも相性がよくない。

酒を振ってから蒸し・焼きで仕上げる手順

店に近い状態に戻すには、蒸気で水分を補いながら温め、最後に焼いて香ばしさを出す二段階の工程が有効になる。

  1. 鰻を耐熱皿に乗せ、日本酒を大さじ1〜2振りかける。酒の水分と旨みが身に染み込み、蒸している間の乾燥を防いでくれる。
  2. 皿にふんわりラップをかけ、電子レンジ(600W)で1分〜1分30秒加熱する。ここでは完全に温めきるのではなく、身をやわらかくする程度でいい。
  3. フライパンにクッキングシートを敷き、鰻を皮目を下にして乗せる。
  4. 蓋をして弱火で2分蒸し焼きにする。フライパンの中に軽く蒸気がこもる状態を作る。
  5. 蓋を外し、皮目を下にしたまま中火で30秒、表面に軽く焼き目をつける。
  6. タレをまぶし直し、10秒ほど絡めて火を止める。

合計の加熱時間は5分前後になる。電子レンジだけで終わらせる場合に比べて手間は増えるが、身のふっくら感と皮の香ばしさが両立する。

料理長メモ:忙しさにかまけて、酒を振らずにいきなりフライパンで焼き直したことがある。身の水分が足りないまま火を通したせいで、皮はパリッとしたが身がパサついてしまった。酒を振る工程を1回挟むだけで、仕上がりがまったく違ってくる。

フライパンやトースターを使った簡易的な方法

時間がないときは、酒を振ってレンジで軽く温めたあと、トースターで2〜3分加熱するだけでも十分改善する。アルミホイルで軽く包んで焼くと、水分が飛びすぎず皮にも焼き目がつく。

フライパンのみで仕上げる場合も、酒を振ってから皮目を下にして弱火で2〜3分、蓋をして蒸し焼きにするだけで、レンジのみの加熱よりしっとりした仕上がりになる。手順を全部踏むのが面倒なときは、酒を振る工程だけは省略しないでほしい。

よくある失敗

身がパサつく

電子レンジだけで長時間加熱していることが原因になる。加熱時間を1分30秒以内にとどめ、残りは蒸し焼きで仕上げると水分が保たれる。

皮がゴムのようになる

皮のコラーゲンが急速な加熱で縮んでしまうことが原因だ。強火で一気に焼くのではなく、弱火でじっくり蒸し焼きにしたあと、仕上げに短時間だけ焼き目をつける手順に変えると改善する。

まとめ

電子レンジだけで鰻を温めると、水分が急速に飛んで身がパサつき、皮が固くなる。酒を振ってから軽くレンジにかけ、フライパンで蒸し焼きにしてから短時間だけ焼き目をつける。この流れで合計5分前後、手間はかかるが仕上がりがまったく違ってくる。

時間がないときも、酒を振る一手間だけは省略しないでほしい。それだけでレンジ任せの仕上がりとは別物になる。

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