クリミとは?料理長が教える味・特徴・おすすめの食べ方完全ガイド

「クリミって聞いたことあるけど、どんな部位?」「焼肉屋のメニューにあったけど頼んでいいの?」

そんな疑問にお答えします。料理歴20年以上の現役料理長が、クリミの特徴から美味しい食べ方まで徹底解説します。

クリミとは?場所と名前の由来

クリミは、牛の肩から腕にかけてのエリアに位置する部位です。

正式名称は「クリ肉」。断面がクリ(栗)の形に似ていることから、この名前がつきました。肩ロースに隣接した部分で、前脚を動かす筋肉にあたります。

よく動く部位のため筋肉質で赤身が多く、一頭から取れる量も少ない希少部位のひとつです。精肉店や焼肉店でもあまり見かけないため、知る人ぞ知る部位と言えます。

クリミの味・食感の特徴

クリミを一言で表すなら、「濃厚な旨みと適度な噛みごたえを持つ赤身の希少部位」です。

味わい

赤身ならではの濃い旨みがしっかりあります。脂は少なめですが、霜降りが適度に入っているものはコクも感じられます。噛むほどに旨みが溢れてくるタイプで、肉を「食べている」という満足感が高い部位です。

食感

筋肉質な部位なのでしっかりした噛みごたえがあります。ただし繊維がきめ細かいため、適切な火入れをすればかたすぎることはありません。ヒレのようにとろけるやわらかさではなく、噛みごたえと旨みを楽しむ部位です。

他の部位との比較

部位脂の量食感旨みの強さ
クリミ少なめしっかり非常に強い
カイノミ中程度噛みごたえあり・やわらか強い
ヒレ少ない非常にやわらかい上品
ランプ少なめしっかり強い

クリミはランプに近い存在ですが、旨みの濃さはクリミの方が上という声も多いです。赤身好きにはたまらない部位と言えます。

クリミは希少部位?入手難易度は?

クリミは一頭から約1〜2kgほどしか取れない希少部位です。カイノミよりもさらに量が少ないため、流通量は限られています。

一般的なスーパーではほぼ見かけません。精肉専門店、焼肉専門店、または和牛通販サイトで探すのが現実的です。

料理長として言わせてもらうと、クリミはまだ一般的に知られていない「隠れた名部位」です。知っているだけで焼肉や食卓の選択肢がぐっと広がります。

クリミのおすすめの食べ方

1. 焼肉(定番の食べ方)

クリミは焼肉で食べるのが最もポピュラーです。

おすすめの焼き方:強めの火で短時間で焼き上げるのがポイントです。じっくり焼きすぎると旨みが逃げてかたくなります。表面に焼き色がついたらすぐに食べるくらいのイメージで。

タレか塩か:クリミはで食べることを強くおすすめします。赤身の旨みが濃いので、塩だけで十分すぎるほど美味しい。タレで食べると旨みが増して濃厚になりますが、まず塩で食べてみてください。

2. ステーキ

厚切りにしてステーキにするのも絶品です。

赤身の旨みが濃いクリミは、シンプルな塩胡椒のステーキにすることで肉の旨みが際立ちます。

おすすめの厚さ:2〜3cm。薄すぎると旨みが飛んでしまいます。

焼き加減:ミディアムレアがベスト。中心がピンク色の状態が最も旨みを感じられます。火を通しすぎるとかたくなるので注意してください。

3. ローストビーフ

クリミはローストビーフにも向いています。赤身の旨みが濃いため、低温でじっくり火を入れることで旨みが凝縮され、断面も美しく仕上がります。特別な日の一品としてもおすすめです。

4. 薄切りすき焼き・しゃぶしゃぶ

薄切りにしてすき焼きやしゃぶしゃぶに使うのもおすすめです。赤身の旨みが出汁に溶け出し、鍋全体の味を底上げしてくれます。脂が少ないのでくどくならず、たくさん食べられるのも嬉しいポイントです。

料理長が教えるクリミをさらに美味しくするコツ

コツ①:常温に戻してから焼く

冷蔵庫から出してすぐ焼かないこと。30分前に出しておくだけで焼きムラが大幅に減ります。特にクリミのような赤身系は中心まで均一に火が通ることが大事です。

コツ②:塩は焼く直前に

塩を早く振りすぎると肉の水分が出てしまいます。網やフライパンに乗せる直前に振るのが鉄則。

コツ③:繊維を断ち切るようにカット

クリミは繊維がはっきりしています。繊維に対して垂直に包丁を入れることで、格段にやわらかく食べやすくなります。

コツ④:焼きすぎない

クリミは火を入れすぎると一気にかたくなります。「もう少し焼こうかな」と思ったところで止めるくらいがちょうどいい。レアからミディアムレアの間を目安にしてください。

コツ⑤:休ませる

ステーキにする場合は焼いた後に1〜2分アルミホイルで包んで休ませてください。肉汁が全体に行き渡り、最後の一口までジューシーに食べられます。

クリミはどこで買える?

精肉専門店

クリミを扱っている可能性が最も高いのは精肉専門店です。「クリミありますか?」と一声かけてみてください。取り扱いがなくても取り寄せてもらえることがあります。

焼肉専門店・卸業者

希少部位に力を入れている焼肉店では、クリミを単品販売していることがあります。

和牛通販サイト

精肉店が近くにない場合は和牛の通販サイトが便利です。希少部位を専門に扱うサイトでは、クリミを取り扱っていることがあります。

よくある質問

Q. クリミとクリはどう違う?
同じ部位です。「クリ」「クリ肉」「クリミ」と呼び方が複数あります。地域や店舗によって呼び方が違うことがありますが、どれも同じ部位を指しています。

Q. クリミはかたい部位?
適切な火入れをすれば決してかたくありません。焼きすぎさえしなければ、しっかりした噛みごたえの中にやわらかさもある、バランスのいい食感です。

Q. カイノミとクリミ、どっちが美味しい?
どちらも希少部位で甲乙つけがたいですが、脂が好きな方はカイノミ、赤身の旨みを濃く楽しみたい方はクリミがおすすめです。両方食べ比べてみるのが一番です。

Q. 子どもでも食べやすい?
脂が少ないため、脂っこいものが苦手なお子さんにも食べやすい部位です。ただし噛みごたえがあるので、小さなお子さんには薄切りにして提供するといいでしょう。

まとめ

クリミは「濃厚な赤身の旨み × 適度な噛みごたえ」を楽しめる希少部位です。

  • 脂が少なく赤身の旨みが濃い
  • 一頭から少量しか取れない本物の希少部位
  • 焼肉・ステーキ・ローストビーフとオールラウンドに使える
  • 塩で食べると旨みが際立つ

なかなか見かけない部位ですが、精肉店や通販で見つけたときはぜひ手に取ってみてください。一度食べると赤身肉の概念が変わるかもしれません。

料理長まっくるの和食帳では、現役料理長の視点から肉料理・和食の知識を発信しています。