「焼き鳥のメニューを見ても、知らない部位が多くて頼めない」「ぼんじりって何?そりれすって聞いたことない」
そんな方のために。料理歴20年以上の現役料理長が、焼き鳥の定番部位から希少部位まで一挙に解説します。
これを読めば、焼き鳥屋のメニューで迷わなくなります。
焼き鳥の部位はこんなに多い
焼き鳥というと「もも」「ねぎま」くらいしか思い浮かばない方も多いと思いますが、鶏一羽からは実に多くの部位が取れます。
大きく分けると3つのカテゴリーがあります。
- 定番部位:もも・ねぎま・つくね・むねなど
- 内臓系(ホルモン):レバー・ハツ・砂肝・白子など
- 希少部位:ぼんじり・そりれす・せせり・かわなど
それぞれ味・食感・脂の量がまったく違います。自分の好みを知っておくと、焼き鳥屋での注文が格段に楽しくなります。
定番部位|まず覚えておきたい基本の5種
もも|焼き鳥の王道
鶏のもも肉を一口大に切って串に刺したもの。焼き鳥の中で最もスタンダードな部位です。
味・食感:脂の旨みとジューシーさが抜群。弾力のある食感で食べごたえがあります。脂と赤身のバランスがよく、万人に愛される味わい。
タレか塩か:どちらでも美味しいですが、タレが特によく合います。
料理長メモ:焼き鳥屋に入ってまず何を頼むか迷ったら、もものタレを一本。その店の実力がわかります。
ねぎま|鶏とねぎの黄金コンビ
鶏もも肉と長ねぎを交互に串打ちしたもの。「ねぎま」の名前は「葱(ねぎ)と間(ま)」が語源です。
味・食感:鶏の旨みとねぎの甘みが交互に口に広がります。ねぎは焼くことで甘みが増し、鶏の脂を吸ってとろりとした食感になります。
タレか塩か:タレがおすすめ。ねぎの甘みとタレの甘辛さが合います。
料理長メモ:ねぎの焼き加減がその店の技術を表します。生焼けでも焦がしすぎでもない、とろりとしたねぎが出てくる店は信頼できます。
つくね|職人の技が光る部位
鶏のひき肉を成形して串に打ったもの。タネの配合や成形方法は店によって個性が出ます。
味・食感:ふっくらとした食感の中に鶏の旨みが凝縮されています。卵黄をつけて食べるスタイルも人気です。
タレか塩か:タレが定番。卵黄につけながら食べるのが至福。
料理長メモ:つくねはその店のオリジナリティが最も出る部位です。シンプルなひき肉だけのものから、軟骨入り・野菜入りまで千差万別。はじめての店では必ず頼んでみてください。
むね|あっさり派のための定番
鶏の胸肉を使った部位。もものジューシーさとは対照的な、淡白でさっぱりした味わいが特徴です。
味・食感:脂が少なくヘルシー。パサつきやすいため、焼き加減の技術が問われます。上手に焼いたむねは、しっとりやわらかくて絶品です。
タレか塩か:塩がおすすめ。むねの淡白な旨みが引き立ちます。
料理長メモ:むねは焼きすぎると一気にパサつく難しい部位。しっとり仕上がっているなら、その店の火入れの技術が高い証拠です。
かわ|脂好きにはたまらない
鶏の皮の部分を串打ちしたもの。全体をじっくり焼いてパリッと仕上げます。
味・食感:鶏皮の脂がじゅわっと溶け出す濃厚な味わい。コラーゲンも豊富でプルプルした食感が特徴。カリカリに焼いたものとしっとり焼いたもの、両方の美味しさがあります。
タレか塩か:塩がおすすめ。脂の旨みがダイレクトに感じられます。
内臓系部位|一度食べるとハマる濃厚な旨み
レバー|鉄分の王様
鶏の肝臓。内臓系の中で最もポピュラーな部位です。
味・食感:濃厚でクリーミーな旨みが特徴。独特の風味があり、好みが分かれる部位ですが、新鮮なレバーはなめらかでくせが少ない。
タレか塩か:タレが圧倒的においしい。タレの甘辛さがレバーの風味とよく合います。
料理長メモ:レバーは鮮度が命。くさみが気になる方は、まず鮮度のよい店で試してみてください。印象が変わるはずです。焼き加減はレアに近いミディアムが最もなめらかで美味しい。
ハツ|コリコリ食感の心臓
鶏の心臓。「ハート」の略でハツとも呼ばれます。
味・食感:コリコリとした独特の食感が最大の魅力。レバーのような強い風味はなく、くせが少ないので内臓系の入門としても最適です。旨みはしっかりあります。
タレか塩か:塩がおすすめ。コリコリした食感と淡白な旨みに塩がよく合います。
料理長メモ:内臓系が初めての方にはハツから試すことを勧めています。くせが少なくて食べやすい。これで内臓のハードルが下がります。
砂肝|噛みごたえ抜群の珍味
鶏の砂嚢(消化器官)。鶏が砂を使って食べ物をすり潰す筋肉の塊です。
味・食感:シャキシャキ・コリコリとした強い噛みごたえが特徴。味は淡白で旨みはシンプル。食感を楽しむ部位です。
タレか塩か:塩一択。塩とごま油がよく合います。
料理長メモ:砂肝は薄く切るか、厚く切るかで食感が大きく変わります。薄切りはシャキシャキ、厚切りはしっかりした噛みごたえ。どちらも美味しいですが、私は厚切り派です。
希少部位|知ってる人だけが頼む3種
ぼんじり|脂の甘みが最高の希少部位
鶏のお尻の先端部分、尾羽を支える部位です。一羽から少量しか取れません。
味・食感:脂がたっぷりのったジューシーな部位。脂の甘みが口いっぱいに広がります。コラーゲンも豊富で、皮と肉の間の脂がとろけるような食感です。
タレか塩か:塩がおすすめ。脂の甘みをダイレクトに感じてください。
料理長メモ:ぼんじりは一羽から2個しか取れない希少部位。メニューにあったら迷わず頼んでほしい。あの脂の甘みは他の部位では絶対に味わえません。
そりれす|フランス料理でも使われる最高希少部位
もも肉の付け根、骨盤の横についた小さな部位。フランス語では「ソリレス」と呼ばれ、「馬鹿者だけが残す」という意味があります。
味・食感:鶏の中で最もやわらかい部位のひとつ。適度な霜降りと濃い旨みが特徴で、とろけるような食感です。
タレか塩か:塩でその旨みを感じてください。
料理長メモ:「フランス料理でも珍重される部位が焼き鳥で食べられる」というのが私的に最高です。一羽から2個しか取れず、メニューにある店は限られます。見つけたら必ず頼んでください。
せせり|鶏の首肉は旨みの宝庫
鶏の首周りの肉。「せせり」「小肉」「ネック」などと呼ばれます。よく動く部位なので筋肉質で旨みが濃い。
味・食感:適度な歯ごたえとジューシーさが共存。脂と赤身のバランスがよく、噛むほどに旨みが溢れます。
タレか塩か:どちらでも美味しいですが、塩で食べると旨みが際立ちます。
料理長メモ:せせりは見た目が地味なので見逃されがちですが、旨みの密度は全部位の中でもトップクラスだと思っています。コスパも高い部位です。
部位別まとめ早見表
| 部位 | カテゴリー | 脂の量 | 食感 | タレ/塩 |
|---|---|---|---|---|
| もも | 定番 | 多め | ジューシー | どちらも◎ |
| ねぎま | 定番 | 多め | やわらか | タレ◎ |
| つくね | 定番 | 中程度 | ふっくら | タレ◎ |
| むね | 定番 | 少ない | しっとり | 塩◎ |
| かわ | 定番 | 非常に多い | パリパリ | 塩◎ |
| レバー | 内臓系 | 中程度 | なめらか | タレ◎ |
| ハツ | 内臓系 | 少ない | コリコリ | 塩◎ |
| 砂肝 | 内臓系 | ほぼなし | シャキシャキ | 塩◎ |
| ぼんじり | 希少 | 非常に多い | とろける | 塩◎ |
| そりれす | 希少 | 中程度 | とろけるやわらか | 塩◎ |
| せせり | 希少 | 中程度 | 噛みごたえ・ジューシー | 塩◎ |
まとめ
焼き鳥の部位は大きく3つのカテゴリーに分かれます。
- 定番部位:まずはもも・ねぎま・つくねを押さえる
- 内臓系:ハツが内臓入門として最適。レバーは鮮度のいい店で
- 希少部位:ぼんじり・そりれす・せせりはメニューにあれば必ず頼む
焼き鳥は部位を知るほど楽しくなる料理です。次に焼き鳥屋に行くときは、いつもと違う部位に挑戦してみてください。
料理長まっくるの和食帳では、現役料理長の視点から肉料理・和食の知識を発信しています。
自宅で焼き鳥を楽しむためのおすすめアイテム
焼き鳥の希少部位を自宅でも試してみたい方に、おすすめのアイテムを紹介します。
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