5月病が長引いている人へ。1ヶ月たっても抜けない時の話

5月の連休明け、たくさんの人が「5月病かもしれない」と感じます。

でも、それからしばらくして——5月の終わりが見えてきても、6月に入っても、まだあのだるさが抜けない人がいます。

「もう連休からずっと経つのに、なんで戻れないんだろう」
「みんなはもう普通に働いているのに、私だけがダメなのかな」

そんなふうに、自分を責めはじめてしまう人。

——もしあなたがそう感じているなら、それはもう、ただの5月病ではないかもしれません。 そして、それは決して、あなたが弱いからじゃありません。

私の5月病が、夏まで続いた話

あれは数年前の春でした。

最初は「ちょっと疲れているだけ」だったはずが、5月の終わりになっても朝起きられない。出社しても集中できない。週末は家から一歩も出られない。

「来週には戻るだろう」「次の連休が来れば」「梅雨が明けたら」——そう思いながら、ずるずると2ヶ月、3ヶ月が過ぎていきました。

体重は5キロ落ちて、夜は何度も目が覚めて、朝起きると涙が出ている日もありました。それでも私は「もう少し気合いを入れれば」と、自分に言い聞かせていたんです。

決定的だったのは、ある朝、駅のホームで足が動かなくなったことでした。

電車のドアが開いて、降りる人の流れに乗らなきゃいけないのに、体がベンチに張り付いて、立てない

そのとき初めて、「あ、これは気合いでどうにかなるレベルじゃないんだ」と思いました。

1ヶ月以上続くなら、それはもう「サイン」です

調べてみてわかったことがあります。

通常の5月病は、長くても2〜4週間ほどで自然と回復していくもの。それを超えて続く場合は、「適応障害」や「うつ病」の初期症状として捉えたほうがいい、と多くの専門家が言っています。

つまり、1ヶ月以上だるさが抜けないのは、心が「もう自分の力だけでは戻れないよ」と教えてくれているサインなんです。

具体的に、こんな状態が続いていたら要注意だといわれています。

  • 朝、起きられない日が週に何度もある
  • 食欲がない、または食べすぎてしまう
  • 何をしても楽しいと感じない
  • 涙が理由なく出る
  • 仕事や家事のミスが増えた
  • 夜眠れない、または眠りすぎる
  • 「消えてしまいたい」と思うことがある

これらに当てはまる項目が複数あって、2週間以上続いているなら、ひとりで抱え込まず、一度専門家に相談してほしいです。

「病院は大げさかな」と思っていた私が、初めて受診した日

「心療内科に行く」って、初めての人にはハードルが高いですよね。

私もそうでした。「こんなことで行ったら、先生に呆れられるんじゃないか」「薬漬けにされたらどうしよう」「人に知られたら…」——いろんな不安が頭をぐるぐるしていました。

それでも、駅のホームで動けなかったあの朝を境に、覚悟を決めて予約を取りました。

実際に行ってみてわかったのは、心療内科は思っていたよりずっと普通の場所だということ。

先生は私の話を、否定も急かしもせず、ただ静かに聞いてくれました。「よく来てくれましたね」と最初に言ってくれたのを、今でも覚えています。

その日、診断名がついたわけではありませんでした。でも、自分の状態を「数値や言葉」で客観的に見てもらえただけで、肩の荷が半分になった気がしました。

「これは、私が弱いからじゃない。ちゃんと治療すれば戻れる状態なんだ」と、初めて思えたんです。

治療をはじめて、半年で景色が変わった話

それから私は、少しの間、軽い薬を飲みながら、生活のリズムを整えていきました。

医師のすすめで、仕事も思い切って休職しました。最初は「休んだら戻れなくなるんじゃないか」と怖かったのですが、休んだから戻れたというのが正直な感覚です。

最初の1ヶ月は、ただ眠って、ご飯を食べて、散歩する、それだけ。テレビも本も、何も頭に入らなかった。

でも2ヶ月目くらいから、ふと夕焼けを見て「きれいだな」と思った日があって、それが自分の中の小さな分岐点でした。

3ヶ月目には、本が読めるようになって、4ヶ月目には人と少し話せるようになって、半年後には、ゆっくりと仕事に戻る準備ができていました。

完全にもとに戻ったわけではありません。でも、前よりも自分にやさしくなれる自分が、そこにいました。

病院に行くタイミングの目安

「まだ大丈夫」「もう少し様子を見てから」と思っているうちに、状態は静かに悪化していくことがあります。

迷っているなら、こんな目安を持ってみてください。

  • 2週間以上、気分の落ち込みが続いている
  • 仕事や家事に支障が出ている
  • 食事や睡眠のパターンが明らかに変わった
  • 「自分なんていなくてもいい」と感じる瞬間がある

ひとつでも当てはまるなら、早めに行ってみてほしい。早く動いたほうが、回復も早いというのが、医療の世界では常識です。

最近はオンライン診療も増えていて、家から出ずに相談できる窓口も多くあります。各自治体には無料の相談窓口(こころの健康相談統一ダイヤルなど)もあります。

あなたは、もう十分に頑張ってきました

5月病が1ヶ月以上続いているなら、あなたはきっと、その何倍もの期間を頑張り続けてきた人です。

4月だけ頑張ったわけじゃない。たぶん去年も、その前も、ずっと無理して走ってきた。その積み重ねの疲れが、今ようやく追いついてきただけなんです。

これは弱さじゃなくて、限界まで頑張ってきた人のための、心からの「休もう」という合図です。

止まることは、終わることじゃありません。ちゃんと止まった人だけが、また自分らしく歩き出せる。私はそう信じています。

今、しんどい思いをしているあなたが、ひとりで抱え込まずに、誰かの手を借りられますように。🌿