睡眠を削って頑張るのが、一番コスパが悪い話

以前の私は、眠れない夜を「頑張っている証拠」だと思っていました。

夜中の2時まで作業して、翌朝6時に起きる。それが「真剣に取り組んでいる自分」の姿だと、どこかで信じていたんです。

布団に入るたびに「もったいないな」という気持ちがあって、スマホを眺めながら「あと30分だけ」を繰り返して、気づいたら深夜になっている——そんな夜を、何度繰り返したかわかりません。

頑張っているのに、なぜか仕事が終わらなかった

当時、仕事の量が増えていたこともあって、毎晩遅くまで作業していました。

でも不思議なことに、睡眠を削れば削るほど、仕事が終わらなくなっていったんです。

同じ文章を何度も読み直す。さっき確認したはずのことをまた確認する。簡単な判断なのに「どっちがいいんだっけ」と迷い続ける。

当時の私は「仕事量が多いから時間がかかる」と思っていました。でも本当の理由は、脳が限界を超えていたからだったと、あとになってようやく気づきました。

睡眠不足の脳は、こっそりサボっている

睡眠不足が続くと、脳の処理速度が目に見えない形で落ちていきます。

研究によると、17〜19時間起き続けた状態の認知機能は、お酒を飲んでいるときと同じレベルまで低下するといわれています。

怖いのは、自分では気づけないということ。判断力が落ちているから、自分のパフォーマンスが下がっていることを正確に評価できないんです。「なんか今日は調子が悪いな」とぼんやり感じても、「まあもう少し頑張れば終わる」と思って続けてしまう。

私がまさにそうでした。疲れているのに「疲れていない」と思い込んで、深夜まで机に向かい続けていたんです。

体を壊しかけて、ようやく気づいた

転機は、ある朝のことでした。

起き上がれないほどではないけれど、頭に霧がかかったような感覚が抜けない。体は動くのに、何も考えられない。そんな状態が3日続いて、さすがに「これはまずい」と思いました。

仕方なく、その週は夜11時には布団に入るようにしました。最初は「時間がもったいない」という気持ちが邪魔をして、なかなか眠れなかった。でも数日続けると、朝の頭の動きが明らかに変わってきました。

同じ仕事が、午前中だけで終わるようになったんです。

深夜に3時間かけてやっていた作業が、1時間かからずに終わる。ミスも減って、確認の手間も減った。「頑張る時間を増やす」より「回復する時間を確保する」ほうが、よっぽど効率が高かったということを、身をもって知りました。

「早起きして作業する」よりも「ちゃんと寝てから作業する」

睡眠の話をすると、「じゃあ早起きして朝活すればいいんじゃないか」と思う人もいるかもしれません。

でも、睡眠時間を削った朝活は、逆効果になることがあります。

大切なのは起きる時間より、眠る時間の確保。4時間しか眠れていないのに5時に起きても、脳はまだ回復の途中です。パフォーマンスが上がるどころか、午後には使い物にならなくなる、という経験を私は何度もしました。

今の私が意識しているのは、たったひとつだけ。「ここから先は眠る時間」という境界線を、前日の夜に決めること。

スマホのタイマーをセットして、鳴ったら作業をやめる。それだけのルールですが、「あと少しだけ」が無限に続く夜更かしを、少しずつ手放せるようになりました。

眠ることは、さぼりじゃない

「もう少しだけ」と削った睡眠が、翌日の集中力・判断力・気力を根こそぎ奪っていることがあります。

頑張りたい気持ちは本物なのに、その頑張りを支える体がついてこない。それがずっと続くと、「なぜ自分はこんなにダメなんだろう」という感覚に変わっていく。でも本当の原因は、意志の弱さじゃなくて、睡眠不足だったりするんです。

休息は怠惰ではなく、明日の自分への投資です。

今夜、いつもより30分だけ早く布団に入ってみてください。それだけで、明日の自分がずいぶん変わるかもしれません。🌙