① はじめに:比べてばかりで苦しかったあの頃
気がつけば、いつも人と比べてばかりいました。
周りを見渡せば、同い年の人が独立・起業していたり、友人が理想の家庭を築いていたり。
自分と違う人生を歩んでいる人たちを見ては、「どうして自分はこうなんだろう」と自己嫌悪の日々を送っていました。
朝起きた瞬間から夜眠るまで、頭のどこかで「誰か」と自分を比べて、勝手に落ち込む。
そんな日々が長く続くと、だんだん自己肯定感が下がっていき、「自分は他の人と比べて何もできない人間だ」と思い込むようになってしまいます。
でもある時、ふと気づいたんです。
“比べる”こと自体を手放さない限り、どれだけ頑張っても心は楽にならないんだと。
そこから少しずつ、自分の習慣を変えていきました。
今回は、比べてばかりで苦しかった私が、「やめてよかった」と心から思う5つの習慣をお話しします。
② 「人と比べてつらい」をやめるために私がやめた5つのこと
1.暇な時にSNSを開くのをやめた
昔の私は、暇さえあればスマホを手に取ってSNSを開くのが当たり前でした。
そして、流れてくる他人の“キラキラした瞬間”を眺めては、まだ何もしていない自分と比べて落ち込み、自己嫌悪に沈んでいました。
でも考えてみれば、それってとても不健康な習慣ですよね。
特に朝いちばんにそれをやってしまうと、一日中気分が沈んでしまうこともあります。
まだ自分の一日が始まってもいないのに、他人の人生の“綺麗な一面”と比べて勝手に自己否定しているのです。
それからは、特に朝だけは自分の世界を大切にする時間にしました。
スマホを開いてSNSを見るのではなく、窓を開けて深呼吸する。コーヒーを飲みながら「今日はどんな一日を過ごそうか」とぼんやり考える。その時は、できるだけポジティブな思考で。
そういう小さな行動が、「他人軸の世界」ではなく「自分軸の世界」から一日を始めるきっかけになりました。
2.「すごい人」を見たとき、“分析”ではなく“距離”を取る
以前の私は、誰かすごい人を見つけると、つい分析して自分と比較していました。
「なぜあの人は上手くいくんだろう」「あまり自分と大差はないのに…何が違うんだろう」と考えては、自分の足りなさを突きつけられて落ち込むのです。
でもある時、こう思ったんです。
“すごい”と感じる人って、そもそも自分とやっている競技が違うだけじゃないかと。
たとえば、長距離走が得意な人と短距離が得意な人が同じタイムを目指すのはおかしいですよね。
それと同じで、「自分とは違う強みを持った人」には、最初から“比べる対象”にすらならないことがあるんです。
それ以来、心がざわついた時は“分析”をやめて、「あの人は別のコースを走っているんだ」と距離を取るようにしています。
そうすることで、自分のペースを乱されることが少なくなりました。自分は自分でいいのです。
3.結果で自分を評価するのをやめて、「行動」に目を向ける
昔の私は、結果が出ないとすぐに自分を責めていました。
「努力が足りないんじゃないか」「才能がないんじゃないか」と。
でも、そんなふうに自分を責めても何も変わらないんですよね。
ある時、「結果はコントロールできないけど、行動はコントロールできる」と気づきました。
それからは、“やったか・やっていないか”だけで自分を褒めるようにしたんです。
たとえば「今日は原稿を1行書いた」「本を10ページ読んだ」。
ほんの小さなことでも、積み重ねていけば、ちゃんと未来は変わっていきます。
そう思えるようになってから、自分を責める時間が減り、少しずつ前向きに行動できるようになりました。
“自分を褒める”という方向に心が向き始めたのも、この考え方に変わっていった頃からかもしれません。
4.「〜すべき」という言葉で自分を縛るのをやめた
「もっと頑張るべきだ」「あの人みたいになるべきだ」
そういう“〜すべき”という言葉が、私の心をずっと縛っていました。
でも、よく考えたらその“べき”って、誰が決めたんでしょう?
たいていは、他人の価値観や世間の常識です。
つまり、自分の本音じゃないものに振り回されていたんです。
私はこの“〜すべき”という考え方を、勝手に「べき論」と呼んでいます。
「〜するべき」なんて言葉がよぎったときは、「危ない、これはべき論だ」と意識的にストップをかけるようにしています。
そして、「〜すべき」を「〜したい」に置き換えて考える習慣をつけました。
「もっと頑張るべき」ではなく「自分は頑張りたいのか?」
「SNSで発信すべき」ではなく「自分は発信したいのか?」
そうやって問い直すうちに、本当に大切なことが見えるようになりました。
“したい”で動いた時のエネルギーは、“すべき”の時とはまったく違います。
そして、自発的に行動することで、自分を認めてあげられるようにもなりました。
5.比べたくなったら、「過去の自分」と比べる
比べることを完全にやめるのは、正直むずかしいです。
だから私は、「比べる方向」を変えることにしました。
他人ではなく、「昨日の自分」「半年前の自分」と比べるのです。
「昨日より5分早く起きられた」「半年前より人に優しくできるようになった」
そんな小さな成長を見つけると、心の中に静かな喜びが生まれます。
それは他人と競う時の“焦り”とは違って、自分だけのペースで歩いている“安心感”です。
比べる相手を自分に変えるだけで、世界はこんなにも穏やかになるのだと知りました。
何度でも言いますが、自分は自分でいいんです。
③ おわりに:「比べない」と心は静かになる
“比べる”ことは、私たちにとって本能のようなものです。
だからこそ、意識してやめようとしないと、ずっとその波に飲み込まれてしまいます。
でも、少しずつ習慣を変えていけば、心はちゃんと静かになります。
そして静かになった心には、**「自分はどうしたいのか」**という声がちゃんと聞こえてくるようになるのです。
人と比べるのをやめたら、人生は驚くほど「自分のもの」になっていきます。
焦らなくていい。競わなくていい。他人軸で生きなくていい。
今日の自分を、ほんの少しだけ大切にできたら、それで十分です。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
同調圧力が強い社会の中で、他人と比較して疲弊することもあると思いますが、少しずつでも「自分軸」で生きられるようになれば、きっと心は今より軽くなります。
今日の話が、あなたの心を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。