「生きるのがしんどい。」
口に出せないだけで、そう感じながら日々を過ごしている人が、今の時代は本当に多い気がします。
僕のまわりでも、「なんか生きづらいんだよね」と口にする人がここ数年でぐっと増えました。仕事で出会う女子大生のバイトさん、妻、そして尊敬している実業家の方まで、対談で「ずっと生きづらかった」と語っていたんです。
そういう話を耳にするたびに、「もしかして、自分もずっと生きづらい人生を送ってきたんじゃないか」と思うようになりました。
この記事は、かつて生きづらさの中でもがいていた僕が、少しずつ自由になれた経験をもとに書いたものです。今まさに同じような苦しさを抱えている人の心が、少しでも軽くなったら嬉しいです。
生きづらさを抱えていた10〜20代の僕
小学生の頃の僕は、ごく普通に友達がいて、異性の子とも気軽に話せるタイプでした。
でも中学に入ってから、何かが少しずつ変わっていきました。
いろんな学区から知らない子が集まってきたこと、思春期特有の気まずさや拗らせた空気。そうしたものが重なって、いつの間にか人とうまく話せなくなっていたんです。
そして、勝手に自分と周りを比べるようになりました。
スポーツができる子、頭のいい子、顔が整った子…。彼らと比べては「自分なんて」と落ち込む毎日。高校に入るとその感情はますます強くなり、誰かと話すのがどんどん嫌になっていきました。
放課後、教室の端で一人で本を読んでいるとき、ふと聞こえてくる友達の笑い声が、まるで遠い世界の出来事のように感じたことがあります。声をかけられても「今はいいや」と笑ってごまかす自分が、だんだん嫌いになっていきました。
暗くて長い高校生活を過ごしたのは、今でも苦い思い出です。
社会人になっても内気な性格は抜けず、先輩からの飲み会の誘いや同期の集まりにも、ほとんど顔を出しませんでした。
「大人になれば何かが変わる」とどこかで思っていたけれど、現実はそんなに甘くありませんでした。学生時代と同じように、人との関わりを避けている自分がいました。
今振り返ると、「生きづらさ」という言葉を知らなかっただけで、あの頃の僕は確かに“生きづらさ”の中でもがいていたのだと思います。
生きづらさの正体は「比較」と「自己否定」
そんな僕の人生が少しずつ楽になってきたのは、ここ数年のことです。
きっかけは、とある人たちの言葉でした。その中でも心に残っているのが、この一言です。
「自分は自分でいいんだよ。」
たったこれだけの言葉ですが、僕の中の何かがふっと緩んだ気がしました。
「他人と違っていい」「欠点があってもそれが自分だ」と思えるようになったとき、生きづらさは少しずつ薄れていきました。
振り返ってみると、僕が苦しかった理由はとてもシンプルでした。
それは「他人との比較」と「自己否定」です。
今はスマホとSNSが当たり前の時代です。誰かの成功、楽しそうな日常、キラキラした瞬間が、毎日のように目に飛び込んできます。
でも、よく考えてみると、それは本当に“その人のすべて”ではないですよね。SNSは見せたい部分だけを切り取る場所。時には盛られた現実です。
それでも僕たちはそれを見て、「なんで自分は…」「あの人みたいにできない」と思ってしまいます。
それが「妬み」になり、「自己否定」へとつながり、気づけば心がどんどん窮屈になっていく。
このサイクルこそが、生きづらさの正体なんじゃないかと、今は思います。
SNSが生み出す“見えない劣等感”
もちろん、SNSだけが原因ではありません。
僕が学生時代に感じていた「劣等感」も、SNSとは無関係でした。スポーツが得意な同級生、頭のいい友達、上司に可愛がられる同期…。比べる対象がいるだけで、人は簡単に自分を小さく感じてしまうのです。
大切なのは、「比べていること」に気づくこと。
そして、「比べる必要なんて本当はない」と自分に言い聞かせることです。
他人と比べるたびに、「自分はダメだ」と自分を責めていませんか?
でも、本来比べるべきは“昨日の自分”だけです。他人の人生は、あなたの人生とは全く別の物語だからです。
自分の物差しで生きるということ
劣等感から自由になる一歩は、「自分の価値観で生きる」ことだと、僕は思います。
他人の評価や世間の基準ではなく、自分の物差しで世界を見て、自分の人生を選ぶ。これができるようになると、生きづらさは少しずつ和らいでいきます。
ある日、街を歩いていたときのことです。
萌えキャラのTシャツを着た3人のオタクっぽいお兄さんたちが、楽しそうに笑い合いながら歩いていました。その姿を見たとき、ふと心の中でつぶやいていました。
「なんて楽しそうに生きているんだろう。これでいいんだよなぁ。」
そう、これでいいんです。
人と違っても、好みが変わっていても、自分らしく生きていればそれでいい。そう思えた瞬間、僕の中で何かが一つ、カチッと音を立ててハマったような感覚がありました。
最後に、今生きづらさを抱えているあなたへ
長い文章になってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。
僕はずっと、「生きづらさ」というものについて深く考えたことがありませんでした。でも、バイトの女子大生が「SNSを見ると自分だけがハズレくじを引いている気がする」とこぼしたのを聞いて、「ああ、みんな悩んでいるんだ」と気づきました。
しばらくして彼女はこう言いました。
「SNSのアプリ、全部消したんです。そしたら心がすごく軽くなって、毎日が楽になりました。」
その言葉を聞いて、「自分の発信が、誰かの力になれるかもしれない」と思い、この文章を書きました。
覚えておいてほしいのはひとつだけです。
生きづらさは、あなたが“ちゃんと生きようとしている証拠”です。
比べなくていい。取り繕わなくていい。
あなたは、あなたのままで価値があるんです。
この文章が、少しでもあなたの心を軽くするきっかけになれたら嬉しいです。
感想や考えがあれば、ぜひコメントで教えてください。またお話しできる日を楽しみにしています。